有明山に住む鬼・八面大王7
そのため、弥助も八面大王にさら
われてしまうのではないかと、さ
くは心配していたのです。
弥助は、小雪がちらちら舞う中を、
穂高の町にむかって、足早に歩い
て行きました。
町へ続く細い道は、数日前に降っ
た雪で真っ白でした。
どこが道だかわからない位、雪が
積もっています。
「ばさっ」
「ばさ、ばさっ」
弥助が峠にさしかかった時、どこ
からか音が聞こえてきました。
「何の音だろう?」
弥助は、音のする方へ歩いていき
ました。
つづく
昨日の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090429#p1
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有明山に住む鬼・八面大王1