有明山に住む鬼・八面大王


  有明山に住む鬼・八面大王20


「娘さんが、家に帰るといっている」
「何、家に帰ると・・・」
「はい。おはようございます。
昨夜は、いろいろお世話になりました。



親切にしていただいたこと、一生忘れ
ません。
おかりした着物、またかえしにまいり
ます。では、これで失礼します。



「雪が、まだ降っている。
この様子では、まだ降り続くだろう。
こんな大雪の中を、娘がひとり歩い
て行くのは無理じゃ。
雪がやむまで、ゆっくり休んでいき
なさい。それとも、急ぐ旅かな」



「いいえ。急ぐ旅ではありません」
「じゃあ、雪がやむまで、何日でも
泊まっていきなさい」
さくが、娘にいいました。


             つづく



   昨日の分はこちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090512#p1



   初めて読んでくださったかたへ



   有明山に住む鬼・八面大王1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090424#p1