有明山に住む鬼・八面大王28
あやは、弥助のことばを聞き、はず
かしそうにうつむいてしまいました。
「あやさんと、ずっと一緒に暮らし
たい」
弥助は、心の中でそっとつぶやきま
した。
「あやさんが、弥助の嫁になってく
れたらどんなによいだろう」
さくも、そんなことを思っていました。
あやは、きだてのよいやさしい娘で
した。その上、働き者でした。
さくは、あやを自分の娘のようにか
わいがりました。
あやも、さくを母のようにしたって
います。
二人は、ほんとうの母と娘のように
みえました。
つづく
昨日の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090520#p1
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有明山に住む鬼・八面大王1