じいじとせみ


   じいじとせみ6


「はい、はい。このせみをぼうや
にわたしますよ。これはじいじが
とってくれたせみですよって」
じいじは静かに目をとじました。
ばあばがきてくれて、ほっと安心
したのでしょうか。



次の日の夜、じいじはばあば一人
に見守られて、遠い国へ旅立ちま
した。
そうしきの日にも、「みーん、ミー
ン、ミーン」と、せみがにぎやか
に鳴いていました。


            つづく



     昨日の分はこちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090725#p1



  初めて読んでくださったかたへ


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