女神さまとの約束


   女神さまとの約束1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090703#p1



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    「女神さまとの約束」より


そんなある朝。
「とんとん、とんとん」
玄関の戸をたたく音がしました。
「こんなに朝早く、だれだろう?」
ふくは、いそいで玄関の戸を開けま
した。



すると、白い馬が立っていました。
馬は、口に手紙をくわえています。
「だれからの手紙かしら」
ふくは、手紙を読みました。



「私は、八ヶ岳の女神です。
大雪の夜、あなたの家に泊めてい
ただいた者です。
あの夜のことを、おぼえていますか。
あなたは、ほんとうに心のやさし
い娘ですね。



あなたのことは、小さな時からよ
く知っていますよ。
私が、おとうさんを助けてあげま
しょう。
この白い馬に乗って、黄金色の花
をさがしなさい。



黄金色の花は、八ヶ岳の山の中に
咲いています。
黄金色の花がみつかったら、おと
うさんをその場所へつれていき、
養生させなさい。



そうすれば、おとうさんはじきに
元気になれるでしょう。
おとうさんが元気になったら、黄
金色の花が咲いている場所で、病
人の世話をしてほしいのです。



どんなことがあっても、けっして
黄金色の花が咲いている場所をは
なれてはいけません。
黄金色の花が、早くみつかるとい
いですね。
八ヶ岳の女神より」
手紙には、そう書いてありました。