開善寺の早梅の精


  開善寺の早梅の精8


「わしは、戦が大きらいじゃ。
罪もない人を傷つけたり、殺した
りするのをみていると、ほんとう
にむなしくなる。
一日も早く、戦のない世の中にな
ってほしいものじゃ」



「そうですね。みんなが安心して
暮らせる、平和な世の中になると
いいですね」
梅香は、そういいました。
「どこの人だろう。京の人かな」
文次は、梅香のことが気になりま
した。



「文次さん。私の家へ寄っていき
ませんか」
「えっ?」
文次は、心をみすかされたような
気がし、どきどきしました。



「私、文次さんとゆっくりお話が
したいのです」
「ほんとうにおじゃましていいのな?
梅香さん」
文次が、聞きました。
「どうぞ、えんりょなく。
文次さん、とっておきのおいしいお
酒をごちそうしますよ」


             つづく



   昨日の分は、こちら。


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