女神さまとの約束


   女神さまとの約束5


「大雪の夜、あの人はどこへ行く
つもりだったのだろう」
ふくは、女の人のことが、気にな
ってしかたがありません。



「貧しいみなりをしていたけれど、
女神さまのように美しい人だったね。
どこのかたかしら。なくなったか
あちゃんに、にていたね」



ふくの心の中は、大雪の夜に泊ま
った女の人のことでいっぱいでした。
二人は、困っている人をみると、知
らん顔ができず、ときどき旅人を泊
めてあげていたのです。


 
夏のある朝。
「ふく・・・ふくー。早くきておくれ」
ざしきの方から、長者の声が聞こえ
ました。
いそいでかけつけると、長者がたお
れていました。

 

            つづく



     昨日の分は、こちら


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     初めて読んでくださったかたへ


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「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。