女神さまとの約束5
「大雪の夜、あの人はどこへ行く
つもりだったのだろう」
ふくは、女の人のことが、気にな
ってしかたがありません。
「貧しいみなりをしていたけれど、
女神さまのように美しい人だったね。
どこのかたかしら。なくなったか
あちゃんに、にていたね」
ふくの心の中は、大雪の夜に泊ま
った女の人のことでいっぱいでした。
二人は、困っている人をみると、知
らん顔ができず、ときどき旅人を泊
めてあげていたのです。
夏のある朝。
「ふく・・・ふくー。早くきておくれ」
ざしきの方から、長者の声が聞こえ
ました。
いそいでかけつけると、長者がたお
れていました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090926#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1
「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。