女神さまとの約束


   女神さまとの約束11


その早いことといったら、ふくは
こんなに早く走る馬を、みたこと
がありません。
ふくは、ふりおとされないように、
しっかりたづなをにぎりました。



野をこえ里をこえ、あっという間
に、八ヶ岳の登り口へつきました。
みあげると、そそりたつようなけ
わしい山が、帯のように続いてい
ます。



「この山のどこかに、黄金色の花
が咲いているのね。
どの山に咲いているのかしら」



「さあ・・・。女神さまの話では、黄
金色の花はぴかっぴかっと光って
いるので、おりてさがさなくても、
私の背中からみつけることができ
るそうです」
白駒がいいました。


           つづく



     昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091002#p1



     初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1



「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。