女神さまとの約束26
「うーん、気持がいい。
生きかえるような気がする」
長者は、うっとりした顔でいいま
した。
ふくは、湯でひたした花びらで、
長者の体をやさしくさすってあげ
ました。
すると、どす黒かった長者の顔が、
うっすらと桃色になりました。
「とうちゃん。きっと元気になれ
るよ」
「そうだな。元気になれそうな気
がする」
長者は、にっこり笑いながらいい
ました。
「白駒。とうちゃんは、どこで休
んだらいいの?」
「女神さまが、部屋を用意してあ
ります。そこへ案内しましょう」
白駒は、長者を背に乗せると、そ
の場所へ案内してくれました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091017#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1
「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。