瑠璃寺の青獅子


   瑠璃寺の青獅子19


その後、男は獅子頭をもって、滝
の上の方へ登っていきました。
そして、適当な岩をみつけると、
獅子頭を岩の上へおきました。
男は、獅子頭をじっとみています。



どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
和尚には、長い時間がすぎたよう
に感じました。
突然、男が大声でさけびました。



「だめだ。この獅子頭は、生きて
いない。
わしは、木の中に眠っている獅子
を、目ざめさすことができなかった。



一心に彫ったけれど、生きている
ようにみえる獅子頭は彫れなかった」
そうさけぶと、男は滝つぼにむかっ
て、獅子頭をなげつけました。


           つづく



   昨日の分は、こちら


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  初めて読んでくださったかたへ


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童話「瑠璃寺の青獅子」は、
信州高森町にある瑠璃寺に伝わっ
ている「青獅子」の話をヒントに
して、みほようこが書いたもの。


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