井戸で鳴く黄金色のにわとり13
「城に火がついたぞー。
すぐ火を消せー」
信廉が、大声でさけびました。
「わぁー」
城内から、女の人たちの悲鳴が聞
こえます。
一箇所火を消しても、すぐまた別
の所から火の手があがります。
城のあちこちが燃えはじめました。
城の中は、もうもうと煙がたちこ
めています。
「姫さま。さあ早く、あっちへ逃
げましょう」
姫はにわとりをだき、おつきの人
と一緒に、安全な場所をさがして
逃げまわりました。
「く、く、くっ」
にわとりが、苦しそうに鳴いてい
ます。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100122#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。