ふしぎな鈴15
こうして、姫は、花や小鳥と、
話をすることができるようにな
りました。
話ができるだけでなく、人々の
気持や、花や小鳥の気持が、よ
くわかるようになりました。
年ごろになった姫は、はっとす
るほど美しい娘になりました。
姿が美しいだけでなく、姫は心
のやさしいしい人でした。
姫が二十才になった春のことです。
「姫、義意はわしがほれた男じゃ。
この人なら、姫を幸せにしてくれ
るだろう。
姫、義意の所へとつぎなさい」
おとうさんは姫にいいました。
義意も姫をたいへん気に入ってく
れました。
そして、姫は、荒井の城主・三浦
義同の息子・義意の所へ嫁ぎました。
その時、義意はニ十五才。
みるからにたくましい大柄な人で
した。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100627#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。