ふしぎな鈴35
「かなさん、元気ですか。
その種は朝顔の種ですよ。
外へでて、雪の上にその種をまい
てごらん」
どこからか声が聞こえてきました。
「誰だろう? こんな雪の日に、
種をまいても芽はでないだろうに」
かなは思いました。
「かなさん、おねがい。
雪の上に、朝顔の種をおいてくだ
さいな」
また声が聞こえました。
かなは外へでて、いわれたように
雪の上に種をおきました。
すると…。
種がわれて、中からかわいい黄緑
色の芽がでてきました。
二枚の葉が四枚になり、八枚にな
り、どんどん葉がでてきます。
そして、あっという間に、何万枚
という葉になりました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100717#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。