ふしぎな鈴


    ふしぎな鈴53


次の朝、かなが目をさますと、
おかあさんは朝ごはんのしたく
をしていました。



かあちゃん、おきてだいじょ
うぶ?」
「かな、だいじょうぶだよ。
かなに耳かざりをつけてもらっ
たら、なんだか元気になったみ
たい」
おかあさんはうれしそうにいい
ました。



その夜、かなはお月さまをみま
した。
お月さまの顔は、昨夜よりふっく
らしています。



「お月さま、昨日は星の耳かざり
をありがとう。
耳かざりのおかげで、かあちゃん
は少し元気になりました。
お月さま、本当にありがとうござ
いました」



かなはお月さまに、何度もお礼を
いいました。
「かな、おかあさんが元気になっ
てよかったね」
お月さまのやさしい声が、空から
聞こえてきました。


           つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100804#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。