女神さまからのおくりもの44
清太は、白駒がいなくなった時の
様子を、ぽつりぽつりと話してく
れました。
「その後も、何度か馬小屋にいな
い時があった。
朝にはちゃんともどってきていた
ので、今まで誰にもその話をした
ことはない」
「そんなことがあったのね。
私、なにも知らなかった」
「おらは、庄屋の家へきた時から、
白駒ってふしぎな馬だなと思って
いたよ」
清太は、長い間気にしていたこと
をきよに話し、気持が楽になりま
した。
「白駒。あなたは、夜中にどこへ
行っているの」
白駒は、遠くの山を、じっとみて
いるだけでした。
「清太さん。ぼつぼつ、ゆうすげの
花が咲いている場所へ行こうよ」
「じゃあ、出発しようか」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101112#p1
初めて読んでくださったかたへ