女神さまからのおくりもの64
そして、清太が一人っ子でなかっ
たら、私の息子として、この家に
きてほしいと思ったこともある」
吉衛門は、落ち着きをとりもどし、
静かに話し始めました。
「清太。大きな声を出してごめん。
つい興奮してしまって・・・。
ほんとうに申し訳ない」
吉衛門は、清太にあやまりました。
「いいえ、私こそ失礼なことをい
い申し訳ありません。
先日、霧ケ峰高原へゆうすげの花を
みに行った時、おじょうさまから
縁談の話を聞きました。
でも、私は、おじょうさまに自分
の気持を伝えることができません
でした。
庄屋さまには、私の気持を知って
おいていただきたいと思い、つい
話してしまいました。
失礼をお許しください」
清太は、深々と頭をさげました。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101202#p1
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