竜の姿をみた少女3
「ねぇ、とうちゃん。村に伝わっている
竜の話って、どんな話なの」
「じゃあ、今日は、その話をしてあげよう」
おとうさんは、湖のまわりを歩きながら、
竜になった三郎の話をしてくれました。
むかーし、昔。ずぅーと昔。
たてしな山のふもとに、小さな村がありま
した。
その村に、太郎・次郎・三郎という、仲の
いい兄弟が住んでいました。
兄たちは、末っ子の三郎を、「三郎や、三
郎や」といってかわいがっています。
三郎も、兄たちが大好きでした。
ところが・・・。
三郎があまりに美しい妻をもらったので、
兄たちは三郎にやきもちをやきました。
やきもちをやいた兄たちは、三郎を魚つり
にさそいだし、湖の深いふちにつきおとし
てしまったのです。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110729#p2
童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
2009年12月、「鳥影社」
から、発行されました。
童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。
収録されている童話
・ 竜の姿をみた少女
・ 女神さまとの約束
裏表紙