竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女11


「ぴゅー、ぴゅぅー」
湖の方から、涼しい風が吹いてきました。
「わぁー、いい風!」
「いい風じゃのぅ」
二人は、同時にさけびました。



「かな。おまえは、信じていた人に、う
らぎられたことがあるかな」
「はい」
「だれにうらぎられたのかね?」



「一番仲がよかった友だち。友だちはね、
しらかば湖に竜がいるといいねといって
いたのに、いつのまにか竜なんていない
というようになったの。あんなに楽しそ
うに、竜の話をしていたのに・・・。
なぜだろう」



「友だちは、なぜ気持がかわったのかな」
「みんなにいじめられたみたい。竜なんて、
この世にいるはずないって。そんなことを
信じているなんて、馬鹿じゃないかってい
われたらしいわ」


               つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110815#p2






童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
2009年12月、「鳥影社」
から、発行されました。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。





   収録されている童話

  ・ 竜の姿をみた少女

  ・ 女神さまとの約束



       裏表紙