竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女17


「わしは、大昔、たてしな山のふもと
に住んでいた三郎じゃ。わしは、この
村が大好きじゃ。だから、ときどきこ
こへ遊びにくる。おまえとも、何度か
話をしたのぅ。わしは、さっきのじい
さんじゃ」
「さっきのおじいさん?」



「そう、さっきのじいさんじゃ。わし
は、諏訪湖に住んでいる竜神じゃ」
そういうと、竜はどこかへ消えてしま
いました。
かわりに、さっきのおじいさんが、に
こにこしながら近づいてきました。



「わしは、諏訪地方を守っている竜神
じゃ。今日は、かなに竜の姿をみせて
あげようと思って、諏訪湖からやって
きたのじゃ」
「私のために、わざわざ?」
「そう、わざわざきたのじゃ。かなに
会いたいと思ってのぅ」


            つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110831#p2






童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
2009年12月、「鳥影社」
から、発行されました。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。





   収録されている童話

  ・ 竜の姿をみた少女

  ・ 女神さまとの約束