竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女18


「おじいさん。美しい竜をみせていた
だきありがとうございました。竜があ
らわれた時は、びっくりしました。
竜って、ほんとうにいるんですね」



「ああ、いるとも。大昔は、どの人も、
かなのように心が美しかった。疑うこ
とを知らない、むじゃきな人ばかりだ
ったのじゃ。だから、竜の姿をみるこ
とができた。どの人も、神様と話をす
ることができたのだよ」



「えっ、神様と話をすることができたの?」
「そうじゃ。どの人も、神様と話をする
ことができたのじゃ。ところが、いつし
か心に曇りができ、心が真っ黒になって
しまった。そのため、神様の姿をみるこ
とも、神様と話をすることもできなくな
ってしまったのだよ」



かなは、ふしぎな思いで、おじいさんの
話を聞いていました。


            つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110907#p2






童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
2009年12月、「鳥影社」
から、発行されました。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。





   収録されている童話

  ・ 竜の姿をみた少女

  ・ 女神さまとの約束



       裏表紙