いなばの白うさぎ 2
八十神たちが、因幡の気多海岸を通
りかかると、毛のないまるはだかの
うさぎが、地べたにころがり苦しん
でいました。
それをみた八十神たちは、
「うさぎよ、毛をはやしたければ、
海水につかり、高い山の上で風に
吹かれて寝ているがいい。 そうす
れば、すぐ毛がはえてくるぞ」と、
うさぎをからかいました。
八十神たちのことばを信じたうさぎ
は、早速海に入り、海水につかりま
した。
ずぶぬれになったうさぎは、よたよ
たしながら高い山に登り、そこで寝
ころんでいました。
つづく
いなばの白うさぎ 1