牛に乗ったお玉さま


   牛に乗ったお玉さま 4


坊さんは、かわいい娘が黒牛にの
りお参りにやってくるのを、いつ
しか心待ちするようになりました。



「なんてかわいい、清らかな娘だ
ろう。
どこの娘かな」
坊さんは、お参りにきた人に聞い
てみました。



すると。
「あの娘は、山口の長者の一人娘
じゃ。 きだてのいい娘でのう。
道で会うと、わしらにも笑顔で挨拶
してくれるんじゃ」
どの人に聞いても、お玉を悪くい
う人はいませんでした。


      つづく