古事記神話「古事記物語」


    大国主命


    赤い猪 7


急いで切れ目を切り開き、大国主
命をひきずり出すと、一生けんめ
い看病しました。
おかあさんの祈りが通じたのか、
大国主命は再び生き返りました。



「これ以上、おまえをここにおい
ておくわけにはいかない。 
すぐに、須佐之男命(すさのおの
みこと)さまが住んでいる根之堅
州国(ねのかたすくに)へ逃げな
さい。 そうすれば、須佐之男
さまがいいようにとりはからって
くれるでしょう。


根之堅州国への道は、木国の大屋
毘古神(おおやびこのかみ)が知
っています。 まずそこへ訪ねて
いきなさい。 体に気をつけて、
元気で暮らすのですよ」
そういって、おかあさんは、大国
主命を見送りました。



      つづく