古事記神話「古事記物語」


   大国主命


   大国主命の試練 16


命は、その音で目をさましました。
髪の毛がたる木にしばりつけてあ
ったので、大力の命が立ちあがる
と、その部屋は「めりめりっ」と
大きな音をたてつぶれてしまいま
した。



「おのれ、小僧めっ」
命はひどく怒り、髪の毛を一束ず
つといていきます。
その間に、大国主命は、須勢理比
売を背負って、どんどん逃げました。



しばらくすると、命が黄泉比良坂
(よもつひらさか)まで追いかけ
てきました。


     つづく