古事記神話「古事記物語」


   大国主命


   やきもちをやく須勢理比売 2


ある日。
須勢理比売のやきもちに手をやい
大国主命は、倭へ行こうと思い
ました。
旅の支度をしていると、須勢理比
売がやってきて、「また、どこか
へおでかけなの」と嫌味をいいま
した。



大国主命は片手を馬の鞍(くら)
にかけ、片足を鐙(あぶみ)に入
れて、こんな歌を詠みました。



黒い衣を着て、水鳥のように胸元
をみる。
そして、鳥が羽ばたくように、袖
をあげさげしてみるが似合わない。


      つづく