倭建が借りた弓は大蛇の弓


 倭建が借りた弓は大蛇の弓 19


「こんばんは」
「こんばんは」
倭建は、何度も声をかけました。
「こんなに遅く、どなたかな」
腰の曲がった老人が顔をだしました。



「旅の者です。 今夜一晩、泊めて
いただきたいのですが」
「こんな山奥なので、何のもてなし
もできないが、どうぞ」
ぐったり疲れていた倭建は、ほっと
しました。



老人はふとんを出すと、寝床をつく
ってくれました。
「疲れたでしょ。 さあ、ゆっくり
休みなさい」
「ありがとうございます。 それで
は休ませていただきます」


      つづく