明神さまの姿をみた少女


 明神さまの姿をみた少女 12


少年は黒い冠をかぶり、真っ白い
着物の上にこい緑色の上着をきて
いました。
「少女よ、よくきたのー。 わしは
おまえに会える日をずーと待ってい
たぞ。



わしは諏訪の神・明神じゃよ。
さっき松虫草のまわりをまってい
た赤いちょうは、くじゃくちょう
というのじゃ。 この高原にきても、
くじゃくちょうはめったにみれんぞ。



心の優しい少女がこの高原にきた
時、赤いちょうはどこからかでてく
るのじゃ。


       つづく


「明神さまの姿をみた少女」は、
諏訪の童話集「風の神様からの
おくりもの」に収録されています。






「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集。


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html


2001年8月 鳥影社より発行。