女神さまとの約束 32
「とうちゃん。 手と足を、早く湯の
中へ入れてごらん。 体が楽にな
るから」
長者は、手と足を、湯の中へ入れ
ました。
「うーん、気持がいい。 生きかえ
るような気がする」
長者は、うっとりした顔でいいました。
ふくは、湯でひたした花びらで、長
者の体をやさしくさすってあげました。
すると、どす黒かった長者の顔が、
うっすらと桃色になりました。
つづく
「女神さまとの約束」は、みほようこの
童話集「竜の姿をみた少女」に収録され
ています。
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu5.html