竹取物語


石作の皇子と仏の御石の鉢 2


三年後。
皇子は、召し使いたちが探してき
た鉢の中から、かぐや姫の所へ持
っていく鉢を選びました。
その鉢は、大和の国十市郡にある
山寺の、びんずるの前にあった鉢
でした。



皇子は、その鉢に、たっぷり煤墨
を塗り、錦の袋に入れ、かぐや姫
の家へ持って行きました。



かぐや姫が、石作の皇子が持って
きた鉢をみると、鉢の中に手紙が
入っています。
ひろげてみると、次のような歌が。



  海山の道に心をつくしはて
  ないしのはちの涙ながれき


      
      つづく