竹取物語


石上の中納言と燕の子安貝 6


それを聞いた中納言は、喜びました。
そして、ひそかに大炊寮(おおいづ
かさ)に出掛け、家来たちの中に交
じって、燕が卵を産むのを監視しま
した。



中納言は、倉津麻呂が燕の子安貝
のとり方を教えてくれので、着ていた
衣装を脱ぎ、倉津麻呂に褒美として
与えました。
「夜になったら、もう一度、大炊寮
(おおいづかさ)にきてくれ」
倉津麻呂を、いったん家に帰しました。


        つづく