2017-11-25 井戸で鳴く黄金色のにわとり 童話 井戸で鳴く黄金色のにわとり 9 天正十年(1582年)二月。 大島城に、戦の知らせが届きま した。 織田軍が、伊那谷へせめてくると。 「織田というと、信長か?」 「いや、長男の信忠じゃ」 「信忠か・・・」 「信忠といえば、信玄さまの娘・ 松姫さまの婚約者だった人。婚 約者の父の城を攻めてこなくて はならない信忠の気持は、複雑 でしょうな」 「戦国の世でなかったら、松姫 と信忠はすてきな夫婦になって いただろうに。むごいことじゃのぅ」 「そうですな」 つづく