女神さまからのおくりもの


   それぞれの思い 5


「きよ、正直にいおう。とうちゃん
は、清太が大好きだ。清太は、
誠実な心のやさしい青年だ。体
も丈夫だし、自分の考えもしっ
かり持っている。その上働き者
だ。家柄のことを除けば、きよ
の結婚相手として、もうしぶん
のない青年だ」



「私は、本人がしっかりしてい
れば、育った環境など気にし
なくてもいいと思うけれど」
「きよ。そうはいかない。とうち
ゃんのわがままだということは、
よくわかっている。とうちゃんは、
庄屋の娘が使用人と結婚した
なんて、人からいわれたくない
のだ」


        つづく