女神さまからのおくりもの


   それぞれの思い 19


わしは、きよも清太も、どちらも
手ばなしたくない。
二人とも、自分のそばにおきたい。
わしに勇気があったら、二人を結
婚させてあげられるのに。
きよ、そして清太。勇気のないわ
しを、どうか許してほしい。
吉衛門は、心の中で二人にわびま
した。



「では、これで失礼します。明日
は早いので、あいさつをしないで
出かけます。どうかみなさまによ
ろしくお伝えください。八年間、い
ろいろお世話になりました」
そういって、清太は吉衛門の部屋
を出ました。


       つづく