ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   朝顔エスカレーター 7


「かな、みてごらん。朝顔の芽がでてきたよ。かわい
いだろ」
「かな、つるがのびてきたよ」
「ほら、みてごらん。つぼみが三つもついたよ。もう
すぐ花が咲くよ。楽しみだね」
朝顔の花をみていると、おとうさんの声が、なつかし
く思い出されました。
 

おとうさんがなくなってから、百日がすぎました。
かなの村に、初雪が降りました。
初めちらちらふっていた雪も、いつの間にかぼたん
雪にかわりました。
雪をみているうちに、かなは黄金色の鳥がおいてい
った、黒い種のことをふと思いだしました。
かなは机の奥から黒い種をだし、そっと手にのせま
した。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu3.html



「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。

ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   朝顔エスカレーター 6


「黄金色の鳥は、あちらの国っていったけれど、あち
らの国ってどこにあるのかしら?」
かなは「あちらの国」ということばが、気になりました。


次の朝、かなは黄金色の鳥がとまっていた柱時計の
上を、そっとのぞいてみました。
黒い種が、一粒のっていました。
「何の種かしら」と思いながら、かなはその種を白い
ふうとうに入れ、机の奥にしまっておきました。


庭へでると、おとうさんが育てた朝顔の花が、たくさ
ん咲いていました。
白い花も紫の花も、ピンクの花も咲いています。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu3.html



「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。