竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 11


「わしはのぅ、昔この村に住んでいたものじゃ。こ
こは、のどかでいい所じゃのぅ。わしは、この村が
大好きじゃ。だから、ときどきここへ遊びにくる。
わしは、兄たちといっしょに、春はわらび、秋は栗
やきのこをとったものじゃ。あのころは、楽しかった
のぅ」
おじいさんは、昔をなつかしむように、こどものころ
の話をしてくれました。


「おじいさん。この村に、竜が住んでいるといういい
つたえを知っている?」
「ああ、知っているとも」
おじいさんは、大きくうなずきました。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu5.html




童話集「竜の姿をみた少女」の価格は、現在 1540円です。

竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 10


「三郎さまって、だれのことかしら。竜になった三郎の
ことかな」
かなは、そう思いました。
 

それから、二週間がすぎました。
かなは、またしらかば湖へ行き、ぼんやり湖をながめ
ていました。
「少女よ。おまえは、ほんとうにしらかば湖が好きなん
だね」
ふりむくと、白いひげのおじいさんが立っていました。


みたことのないおじいさんです。
白い着物をきて、白い頭巾をかぶった、上品なひと
でした。
おじいさんは、長い杖をついています。
杖には、竜の顔がついていました。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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