おおみそかの夕方。
としとりをしようと思っていたら、お茶の
弟子が「ざざむしの甘露煮」を届けてくだ
さった。 この二十数年、毎年年末にかな
らず届けてくださる。 ありがたいことだ
と感謝している。
ざざむしとは、川底の石の裏にへばりついて
いるとびけら・かわげら・へびとんぼなどの
幼虫のことをいう。 たくさんの足が動く様
子から「げてもの」あつかいにされている。
弟子のおとうさまは、ざざむし漁歴30年。
今年も十二月一日から、ざざむし漁が始まっ
た。 漁期は三ヶ月とか。 三日に一度は、
川に入るというベテランである。
今年は十月の台風の影響で、ざざむしはとれ
ないという。 毎年50キロぐらいざざむし
をとっているようだが、今年は10キロもと
れないとか・・・。
そして、おとうさまはとってきたざざむしを
自分で甘露煮にする。 その甘露煮は、お店
で売っているどの甘露煮より美味しい。
おとうさまは76才とか。
いつまでもお元気でざざむしとりをしていた
だきたい。