「風の神様からのおくりもの」あとがき


私は昭和五十四年春から三年間、「御柱」で
有名な諏訪大社・上社の近くの教員住宅に住
んでいたことがあります。




諏訪にいる間に、運良く上社の「御柱祭」を
みる機会がありました。 人々の大歓迎の中
を、諏訪の神様は御柱にのって、奥山から里
を通り、川をこえてしずしずと社に到着しま
した。 その時の人々の熱狂ぶりは、今でも
はっきりと目に浮かびます。
諏訪は私にとって心の故郷です。




春になると、守屋山のふもとの部落では、どて
一面に福寿草の花が咲きます。 春のやわらか
な光の中で咲く福寿草の群落をみた時、「なん
て綺麗だろう」と思いました。




秋になると、近くの霧が峰高原では、松虫草
の花が咲きます。 そして、運が良ければ、く
じゃくちょうにも出会えます。




ある年の秋、私は松虫草の花を見に、霧が峰
高原へ行きました。 そこで偶然くじゃくちょ
うに出会いました。 カラフルなデザインで、
しかも独特な模様の赤いちょうでした。 はっ
としたのをおぼえております。




又ある年の暮れ、一年間守っていただいたお
礼に、諏訪大社を訪れました。
その帰り空を見あげると、空には美しい虹が
かかっていました。
さっきまで小雪が舞っていたのに、いつの間に
か晴れわたり、空には美しい虹が・・・。



諏訪でみた、福寿草・くじゃくちょう・虹の
美しさが忘れられず、これらの作品が生まれま
した。

  後は   略