昭和50年代の歌 1


母は、昭和55年秋から、ヒムロへ入会。
その後、アララギへも入会する。
これ以後の歌は、ヒムロ・アララギの雑
誌に掲載された短歌。




母は、もうすぐ80才になる。
今日も歌会があり、でかけたようだ。
いつまでも元気で、いろいろな短歌を
作ってほしい。




寝苦しき夜もなくしてこの夏も過ぎ
     馬追の鳴く時となりたり



清掃の終わりし川の底澄みて
     夏休みの児等声あげて遊ぶ




褐色の溶岩続く鬼押し出し
     岩間に群れて咲く岩鏡




種籾を侵して豊凶を占ひしといふ
     その種籾が池底にあり




青田刈りの稲の白々乾く田に
     友まきし葱青く伸び立つ




アメリカシロヒトリに食はれて葉脈のみとなりし
     胡桃の白き葉梢にゆれおり




ダイエット始めしといふ友の前に
     心なき吾はケーキ食ひおり




紫蘇の木を刻みて入れし健康枕
     夜半に寝かえる床に匂ひぬ