竜神になった三郎


童話集「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集。

昨年四月、七年に一度行われる諏訪大社
御柱祭」にあわせて、http://www.choeisha.com/から発
行されました。






人は信じていた人に裏切られた時、どんな
行動をとるのでしょうか?


ほとんどの人が、怒り狂うのではないでし
ょうか。
そして、自分を裏切った人を憎むのでは・・・。
それが普通の人間だと思います。


でも、「竜神になった三郎」の主人公・三郎
は、心から信じていた二人の兄に、湖の中へ
つきおとされても、なぜか兄たちを憎んだり、
怒り狂ったりしません。


三郎は、幼い時から、二人の兄に「三郎や、三
郎や」といって、かわいがられていました。 
「あそこの兄弟は、ほんとうに仲がよいのぅ」
と、人々からうらやましがられるほど、三人は
仲良しでした。


ところが・・・。
三郎が、美しい心の優しい妻をもらったので、
二人の兄たちは三郎にやきもちをやきました。
そして、幸せいっぱいの三郎を、ぎゃふんとい
わせようと、兄たちは相談します。
あんなに仲のよかった兄弟なのに・・・。



そして、とうとう、兄たちは三郎を湖の中へつ
き落としてしまったのです。
でも・・・なぜか三郎は、ひどいことをした二
人の兄をにくむことができませんでした・・・。



童話集「竜神になった三郎」の中のことばより


「わしは地の国の神じゃ。本当にひどい目にあっ
たのぅ。しかし、おまえはあんなひどい目にあっ
ても、兄たちを少しもにくんでおらぬ。 なぜじ
ゃ。 なぜおまえは兄たちをにくまないのじゃ」
神様は、三郎にたずねました。


私は、こんな人の良い、神様のような三郎を書き
ました。



竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)



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