白駒の池


     白駒の池10


途中の高原には、あざみややなぎらんの花が咲
いています。
車山では、日光きすげの花が満開でした。山の
肩だけでなく、山のすそのほうまで、一面に黄
橙色の花が咲いています。
数千本、いや数万本、もっとたくさんの花が咲
いているかもしれません。
車山全体が、黄橙色にそまっていました。



「わぁー、きれい!!」
二人は、思わず声をあげました。
「私、こんなにたくさんの日光きすげをみたのは、
初めて。今年の花は、みごとね」
「おらも、初めて。まるで、黄橙色の山みたいだ
ね」
二人は、馬からおりて、日光きすげの咲いている
高原を歩きました。



「きよちゃん。白駒のことを聞いてもいい?」
「いいわ、清太さん。あらたまって、何?」
「白駒って、何才になるの」
「白駒は、私が七才の時、わが家にきたわ。だから、
11才かな」
「白駒は、どこからきたの」
「それがね・・・どこからきたか、わからないの」


           つづく