女神さまとの約束


    女神さまとの約束8
 

「とうちゃん。待っていてね。私、八ヶ岳へ行って、
黄金色の花をさがしてくるから」
病気の父親を、一人残していくことは心配でした。
でも、黄金色の花さえみつかれば、とうちゃんが元
気になれるかもしれない、ふくはそう思ったのです。



「あなたの名前は、なんというの?」

「私の名前は、白駒。ふくさんと一緒に、黄金色の
花をさがすようにと、女神さまからいわれました」
「白駒というのね。私と一緒に、黄金色の花をさが
してくださいね。おねがいします」
ふくは、白駒にお願いしました。



ふくは、白駒の背にさっととびのりました。
白駒は、「ひひーん」となくと、すごいいきおいで
走りだしました。
その早いことといったら、こんなに早く走る馬を、
ふくはみたことがありません。ふくは、ふりおとさ
れないように、しっかりたずなをにぎりました。


   つづく