女神さまとの約束


女神さまとの約束23


「女神さまとの約束は、守らなくてはいけないけ
れど、ふくがいないと、とうちゃんはさみしい」
長者も、さみしそうでした。
「私だって、とうちゃんと一緒に家に帰りたい。
でも、大好きなとうちゃんを女神さまに助けても
らったのだから、さみしくてもがまんしなくては・・・。
何年かたてば、家へもどることができるかもしれ
ないしね」
「そうなると、いいけれど」



「きっといつか家にもどることができると思うわ。
とうちゃん。体に気をつけて、元気でくらしてね」
「ふくも、元気でくらすのだよ」
長者は、白駒の背にのって、一人で家へもどってい
きました。
ふくは、女神さまとの約束どおり、黄金色の花が咲
いている岩場に残りました。




長者が家にもどった日。
白駒は、どこからかぐったりしたおじいさんをつれ
てきました。そして、ふとんの上に、おじいさんを
ねかせました。
「白駒。この人、ぐったりしているけれど、だいじょ
うぶ?」
ふくは心配になって、おじいさんが息をしているか
どうかたしかめました。


つづく