ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」


ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」2


「おとうさま、あの鳥は何という鳥?」
「姫、うぐいすだよ。じき上手に鳴けるようになる
から、そこで聞いていてごらん」
おとうさんがいいました。
「ホー…ケキョ、…ケキョ」
「ホーホ…、…ケキョ」
しかし、うぐいすはなかなかうまく鳴けません。



「うぐいすさん、がんばってぇ」
姫は、心の中でうぐいすをおうえんしました。
「ホーホケキョ、ほーほけきょ」
 しばらくして、うぐいすは上手に鳴けるようにな
りました。
「わぁ、良い声。うぐいすさん、上手に鳴けるよう
になって良かったね」
姫はうぐいすに話しかけました。
うぐいすもうれしそうです。


姫のおとうさんは、小鳥が大好き。小鳥の鳴きまね
もとても上手でした。
「姫、きてごらん。椿にめじろがきているよ」
庭へ小鳥が来ると、おとうさんは姫に小鳥の名前を
教えてくれます。
姫は、小鳥の名前や鳴き声を、自然におぼえました。
そして、小鳥たちと大の仲良しになったのです。


  つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
2005年9月、「鳥影社」から発行されました。




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)