ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」3
夏のある朝。
「姫、姫―。きてごらん。朝顔の花が咲いたよ」
おとうさんが姫をよんでいます。
庭へでると、朝顔の花がたくさん咲いていました。
「わぁ、たくさんの朝顔」
姫は一つ・二つ・三つと、花を数え始めました。
しかし、たくさんすぎて、幼い姫には数えることが
できませんでした。
「ねえ、おとうさま。花はいくつ咲いているの?」
「ニ百位は咲いているだろう」
おとうさんはうれしそうにいいました。
姫が七才になった春のある日。
庭の桜が満開になりました。例年になく、美しい桜
でした。
「今年の桜は、みごとじゃのぅ」
おとうさんはごきげんでした。
「姫、良いものをあげよう。この鈴は、わが家に伝
わっている鈴だよ」
おとうさんは姫に二つの鈴をくれました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
2005年9月、「鳥影社」から発行されました。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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