「やさしいとうちゃんだった。
私はとうちゃんが大好き」
かなは心の中で何度もそうつぶやき
ました。
おとうさんがなくなった夜のことです。
「リーン・リーン・コロンころん」
「リーン・リーン・コロンころん」
誰が鈴をふっているのでしょうか。
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
真っ暗な部屋の中で、柱時計の上だけ
が、明るくきらきらと輝いています。
よく見ると、黄金色の鳥が一羽、柱時
計の上にとまっていました。
見たこともない、黄金色の美しい鳥です。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊
目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行され
ました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。