ふしぎな鈴「朝顔のエスカレーター」


ふしぎな鈴「朝顔エスカレーター」4


「かなさん、私は遠い国からあなたの
おとうさんを迎えにやってきました。
これからおとうさんは遠い国へ旅立ち
ます。
おとうさんは、あちらの国でかなさん
やおかあさんのことを、ずっと見守っ
ていますからね。



では、これから出発します。
かなさん、おかあさんのことを、たの
みますよ」
そういうと、黄金色の鳥はおとうさん
を背中にの
せて、どこかへとんでいってしまいま
した。



それはあっという間の出来事でした。
「黄金色の鳥は、あちらの国っていっ
たけれど、あちらの国ってどこにある
のかしら?」
かなは「あちらの国」ということばが、
気になりました。




次の朝、かなは黄金色の鳥がとまって
いた柱時計の上を、そっとのぞいてみ
ました。
黒い種が一粒のっています。
「何の種かしら」と思いながら、かな
はその種を白いふうとうに入れ、机の
奥にしまっておきました。


                      つづく



「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊
目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行され
ました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)