ふしぎな鈴「朝顔のエスカレーター」


ふしぎな鈴「朝顔エスカレーター」6


かなは机の奥から黒い種をだしてきて、
そっと手の上にのせました。
すると・・・。 
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
どこからか鈴の音が聞こえてきました。



「かなさん、元気ですか。その種は朝
顔の種ですよ。
外へでて、雪の上にその種をまいてご
らん」
どこからか声が聞こえてきました。
「誰だろう?こんな雪の日に、種をま
いても芽はでないだろうに」
かなは思いました。



「かなさん、おねがい。雪の上にそっ
朝顔の種をおいてくださいな」
また声が聞こえました。
かなは外へでて、いわれたように雪の
上に種をおきました。



すると・・・。
種がわれて、中からかわいい黄緑色の
芽がでてきました。
二枚の葉が四枚になり、八枚になり、
どんどん葉がでてきます。
そして、あっと間に、何万枚という葉
になりました。


つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊
目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行され
ました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)