ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」


ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」3


うぐいすに案内されて丘へつくと、桜が美しく咲い
ていました。そして、桜の木の下には、校長先生が
立っていました。
「美しい桜だねぇ」
校長先生は笑顔でいいました。



かなはおとうさんから聞いた小桜姫の話を、校長先
生に話してあげました。
校長先生はその話を知っていましたが、「ほうー」
「それで」「それからどうしたの」といいながら、
かなのたどたどしい話を、最後まで聞いてくれました。



話し終わったかなは、おとうさんからもらった桃の
鈴を、校長先生にみせました。
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
鈴の音を聞いた校長先生は、はっとしました。
「私はどこかでこの鈴の音を聞いたことがある。ど
こで聞いたのだろうか?」
しかし、どこで聞いたのか、校長先生には思い出せ
ませんでした。


    つづく








「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)