ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」


ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」2


雲ひとつない真っ青な西の空が、だんだんにうす
いクリーム色に変わってきました。かなとりゅう
は、たちどまって西の空をじっとみていました。



すると、空の色がうすい橙色から、濃い橙色にな
りました。
「なんてきれいだろう」
みていると、もっと美しいあかね色になりました。



どの位の時間が過ぎたのでしょうか。
気がつくと、あたりはうす暗くなっていました。
うす暗くなった道を、かなとりゅうは、家にいそぎ
ました。
長い坂道をのぼり、平らな道にでた時、空にはもう
お月さまがでていました。今日のお月さまは細い三
日月です。



その時、お月さまにむかって、きらっきらっと光り
ながら、星が近づいてくるのをみつけました。その
星は、お月さまに近づいてきます。


つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)