風の神様からのおくりもの


   風の神様からのおくりもの5


「小桜姫、小桜姫。聞こえるかな。風の神じゃ。
伊那谷の女の子はあぶない所で助かってよかった
のー。しかしこれから大変じゃのー。わしも毎日
あの子が元気に育つよう祈っているぞ」



「風の神様、あの子を助けていただき本当にあり
がとうございました。いちじはどうなることかと
私もはらはらしましたが、風の神様のおかげで助
かりました。本当にありがとうございました。こ
のご恩は一生わすれません。これからもどうかあ
の子のことをよろしくお願いします」



「そうそう、かんじんなことをいい忘れるところ
じゃった。実はわしが大切にしている例のまゆ玉
を、女の子においてきたのでそのつもりでな」
「風の神様、例の黄金色のまゆ玉でございますか。
そんな大切なまゆ玉をあの子に…。風の神様、本
当にあの子がまゆ玉をいただいてよろしいのでし
ょうか」


つづく


「風の神様からのおくりもの」は、みほよう
この初めての童話集・「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。



http://www.bk1.co.jp/product/2056682



心を病む兄のために、明神様にお参りする心
優しい少女の話など4編。
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描か
れる心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話